本当に必要とされる介護

介護の専門職という仕事は、まず相手の話をよく聞くことが大切です。介護の仕事がどのようなものか知っていても、相手は人間ですし一人ひとり年齢も違えば、男性も女性もいらっしゃいます。専門職の資格を持っていれば、技術もありますから、先回りして行動を起こすことがあるのです。

ところが、こちらが良いと思って行動することが、必ずしも相手が望んでいないかもしれません。利用者が今何を望んでいるのか、それを見極めることができてプロといえるのです。そうして、その方と接する時に何を一番注意しなければいけないかということを早くキャッチしなければなりません。例えば、会話の中で、この言葉はとても傷つくので絶対に言ってはいけないとか、癌の患者であれば、癌と告知されていないので病名を話してはいけないといったことです。そのためには、家族や周りの人から「人となりや性格、家族や生活環境」などを出来る限りたくさん情報として聞きメモを取っておくことです。

利用者の生活を第一に成り立たせ、少しでもよくしていく方向に向かわせなければなりません。この仕事は気持ちがあたたかくなることがたくさんあるのです。直接、人と人とのつながりになるので、利用者の生活や心の状態をよくするために何かができるという実感があるからです。逆によかれと思って言葉をかけたり手配をしたりしても、必ずしも利用者にとってためにならないこともあります。その難しいところが、いろいろ頭を使って考え乗り越えられるとやりがいという大きな充実感があるのです。